タワーマンションの住戸は狭くなったのか — 588棟の専有面積レンジで確かめる
登録不要で、首都圏のタワーマンション相場と棟一覧を確認できます。
Amebloで次回更新を受け取る ・
Amebloの最新記事を見る
「最近のマンションは狭くなった」という話をよく聞きます。タワーマンションでも同じことが起きているのか、棟ごとの専有面積のレンジ(最小住戸〜最大住戸)を並べて確かめました。
TOWERSが把握している首都圏のタワーマンション805棟のうち、間取りの記載があるのは656棟(81.5%)、専有面積の下限・上限まで分かるのは588棟(73.0%)です。この588棟を対象に集計しました。
結論から言うと、狭くなったのは「小さいほう」だけでした。
竣工年代別の専有面積レンジ
| 竣工年 | 棟数 | 最小住戸の中央値 | 最大住戸の中央値 | レンジ幅の中央値 |
|---|---|---|---|---|
| ~2004年 | 109棟 | 50.6㎡ | 123.0㎡ | 77.4㎡ |
| 2005-2009年 | 176棟 | 43.0㎡ | 114.3㎡ | 70.2㎡ |
| 2010-2014年 | 80棟 | 43.7㎡ | 113.0㎡ | 67.6㎡ |
| 2015-2019年 | 74棟 | 42.0㎡ | 108.6㎡ | 63.5㎡ |
| 2020-2026年 | 74棟 | 40.6㎡ | 114.9㎡ | 79.5㎡ |
最小住戸は50.6㎡から40.6㎡へ、20年で10㎡縮んでいます。一方で最大住戸は123.0㎡→114.9㎡で、2015-2019年に108.6㎡まで下がったあと2020年以降は114.9㎡に戻っており、明確な縮小トレンドとは言えません。
つまり「タワーマンションが狭くなった」というより、単身・少人数向けの小さい住戸を持つ棟が増えたという形です。全体を通した588棟では、最小住戸の中央値43.8㎡・最大住戸の中央値114.4㎡・レンジ幅の中央値72.2㎡でした。
なお、この変化が何によるものかは本データでは分かりません。世帯構成の変化、用地価格、事業計画上の判断など複数の要因が考えられますが、いずれも検証していません。
3棟に2棟は100㎡超の住戸を持つ
| 条件 | 棟数 | 割合 |
|---|---|---|
| 最小住戸が40㎡未満 | 174棟 | 29.6% |
| 最小住戸が30㎡未満 | 43棟 | 7.3% |
| 最大住戸が100㎡以上 | 401棟 | 68.2% |
| 最大住戸が150㎡以上 | 155棟 | 26.4% |
タワーマンションの3棟に2棟(68.2%)は100㎡以上の住戸を持ち、4棟に1棟(26.4%)は150㎡以上の住戸まであります。同じ建物の中に40㎡台と150㎡超が同居している、というのがタワーマンションの標準的な構成です。
間取りの記載から各棟の最小・最大を拾うと、最小住戸が1LDKの棟が282棟(48.0%)、1Rが105棟(17.9%)、1Kが49棟(8.3%)。合わせて4棟に3棟が単身向けの住戸を含んでいます。最大住戸は3LDKが240棟(40.8%)、4LDKが210棟(35.7%)でした。
規模が大きい棟ほどレンジが広い
| 総戸数 | 棟数 | 最小住戸の中央値 | 最大住戸の中央値 | レンジ幅の中央値 |
|---|---|---|---|---|
| ~199戸 | 225棟 | 50.0㎡ | 110.2㎡ | 63.3㎡ |
| 200-499戸 | 233棟 | 42.8㎡ | 110.8㎡ | 68.0㎡ |
| 500-999戸 | 98棟 | 42.6㎡ | 125.0㎡ | 84.5㎡ |
| 1,000戸以上 | 26棟 | 42.1㎡ | 155.3㎡ | 122.5㎡ |
年代よりもはっきり差が出るのが規模です。1,000戸以上の棟ではレンジ幅の中央値が122.5㎡(42.1㎡〜155.3㎡)で、199戸以下の棟(63.3㎡)の約2倍になります。最小住戸は規模が変わってもあまり動かず、広がっているのは上限のほうです。
住戸数が多いほど住民の属性も幅広くなる、という見方はできますが、それが計画上の意図なのか結果なのかは本データでは判別できません。
このデータの限界
- 対象は TOWERS が把握するタワーマンション805棟のうち、専有面積の下限・上限が分かる588棟(73.0%)です。217棟は含まれていません。
- 記載は分譲時の資料に基づくもので、その後のリフォームや住戸の分割・統合は反映されていません。
- レンジの両端は棟内の最小・最大であり、その面積の住戸が何戸あるかは分かりません。中央値付近にどれだけ集中しているかも本データでは見えません。
- 実際の値は12.0㎡〜1,270.0㎡まで開きがあります。上限側にはサービスアパートメント形式の住戸を含む棟があり、下限側には記載された間取りと整合しない値も一部あります。そのため本文では全区分で中央値を使っています。
- 年代別の集計は各区分74〜176棟で、1〜2棟の増減でも中央値が動きます。
- 「狭くなった」かどうかは棟ごとのレンジで見たものであり、住戸1戸ごとの平均面積を集計したものではありません。
まとめ
- 専有面積レンジが分かる588棟を集計
- 最小住戸の中央値は~2004年50.6㎡ → 2020年以降40.6㎡(10㎡縮小)
- 最大住戸の中央値は123.0㎡ → 114.9㎡で明確なトレンドなし
- 狭くなったのは「小さいほう」だけ
- 68.2%の棟が100㎡以上、26.4%が150㎡以上の住戸を持つ
- 最小住戸が1LDKの棟が48.0%、1Rが17.9%
- 1,000戸以上の棟はレンジ幅122.5㎡で、199戸以下(63.3㎡)の約2倍