タワーマンション、70㎡・80㎡・100㎡で坪単価は変わるのか — 成約データで見る面積帯の壁
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「広い部屋ほど坪単価は下がる」という感覚を持っている人は多いと思います。総額が大きくなる分、㎡あたりの単価は下がりやすい、という不動産のよくある傾向です。TOWERSが収集した湾岸4区(港・中央・江東・品川)のタワーマンション成約データ5,918件(2023年1月〜2026年7月、面積帯が判別できるもの)のうち、件数の厚い60〜100㎡帯(合計4,091件)で確かめると、60〜90㎡帯まではその通りほぼ横ばいでした。ところが100㎡帯だけ、坪単価が突然跳ね上がります。
面積帯別の坪単価(中央値)
面積は10㎡刻みの帯(例:「70」は70.0〜79.9㎡)でしか記録が残っていないため、各帯の中間値(70㎡帯なら75㎡)を代表面積として㎡単価を出し、中央値を集計しました。外れ値の影響を抑えるため平均ではなく中央値を使っています。
| 面積帯 | 代表面積 | 成約件数 | 坪単価(中央値) | 成約価格(中央値) |
|---|---|---|---|---|
| 60㎡帯 | 65㎡ | 1,226件 | 568.6万円 | 1.12億円 |
| 70㎡帯 | 75㎡ | 1,833件 | 585.3万円 | 1.33億円 |
| 80㎡帯 | 85㎡ | 754件 | 569.8万円 | 1.47億円 |
| 90㎡帯 | 95㎡ | 152件 | 582.9万円 | 1.68億円 |
| 100㎡帯 | 105㎡ | 126件 | 878.4万円 | 2.79億円 |
60〜90㎡帯の坪単価は568万円〜585万円の範囲に収まり、差は最大でも3%程度です。面積が広がっても坪単価はほとんど動きません。ところが100㎡帯だけ878.4万円と、90㎡帯より50.7%高くなっています。成約価格そのものも90㎡帯の1.68億円から100㎡帯は2.79億円へと、面積の伸び(約1.1倍)を大きく超えて跳ね上がっています。
100㎡帯の跳ね上がりはどこから来るか
100㎡帯・126件の内訳を区別に見ると、中央区60件・江東区48件・港区17件・品川区1件で、特定の区に偏った数字ではありません。港区(湾岸エリアに加え六本木・麻布など内陸の高額エリアも含む区)を除いても中央値は755.0万円(109件)で、90㎡帯との差は約30%残ります。区の偏りだけでは説明しきれない、面積帯そのものの効果と見てよさそうです。
126件の中身を見ると、上位には港区のタワーの100㎡台住戸が6億8,000万円〜7億6,500万円で複数回登場します。100㎡帯には各棟の「フラッグシップ住戸」(最上階に近い、眺望のよい住戸)が相対的に多く含まれる傾向があり、これが中央値を押し上げていると考えられます。60〜90㎡帯は同じ棟の中でも標準的な住戸が中心のため、坪単価が横ばいになりやすいのだと考えられます。
このデータの限界
- 面積は10㎡刻みの帯データのため、正確な面積での単価計算ではなく、帯の中間値を使った近似です。
- 対象は湾岸4区(港・中央・江東・品川)に限られ、他エリアには適用できません。
- 100㎡帯・90㎡帯はサンプル数が126件・152件と、60〜80㎡帯(754〜1,833件)に比べて薄く、今後の集計で数字が動く可能性があります。
- 「フラッグシップ住戸が多い」という説明は傾向からの解釈であり、住戸ごとの階数・眺望データで検証したものではありません。
- 件数は登録ベースの集計で、同一の取引が複数回数えられている可能性があります。件数そのものではなく、帯ごとの厚みの相対比較としてご覧ください。
まとめ
- 湾岸4区のタワーマンション成約データ5,918件のうち、件数の厚い60〜100㎡帯4,091件を面積帯別に集計
- 60〜90㎡帯の坪単価は568万円〜585万円でほぼ横ばい
- 100㎡帯だけ878.4万円と、90㎡帯より50.7%高い
- 港区を除いても755.0万円で、面積帯そのものの効果とみられる
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