国土交通省の実取引データとTOWERSの成約データ、なぜ数字が違うのか
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TOWERSでは「エリアの坪単価」を毎日公開していますが、その裏側には性質の異なる2つのデータ源があります。ひとつはTOWERSが集めたタワーマンションの成約価格、もうひとつは国土交通省の不動産取引価格情報(実取引データ)です。
この2つ、実は同じ区で見ても坪単価がかなり違います。港区・中央区・品川区・江東区の4区で両方の数字を突き合わせたところ、差は最小25.9%・最大51.1%でした。なぜこれほど違うのか、データを分けて見ていきます。
TOWERSの成約データ:タワーマンション限定
TOWERSが集計している成約坪単価は、対象をタワーマンション(地上20階以上)に限定した実際の売買成約価格です。
| 区 | 坪単価(万円) | 成約サンプル数 |
|---|---|---|
| 港区 | 999.1 | 15 |
| 中央区 | 665.9 | 29 |
| 品川区 | 661.9 | 9 |
| 江東区 | 556.4 | 40 |
この4区は、TOWERSが現時点で成約データを追えている区です。棟単位で価格を追える分、精度は高い一方、サンプル数は区によって9〜40件とばらつきがあります。
国土交通省の実取引データ:中古マンション全体
一方、国土交通省 不動産情報ライブラリの実取引価格情報は、タワーマンションに限定せず、中古マンション全体を対象にした直近4四半期の取引データです。個別の建物には紐づかない、区単位の匿名化データです(公示価格ではなく、実際に取引された価格そのものです)。
同じ4区の坪単価は次の通りでした。
| 区 | 坪単価(万円) | 取引サンプル数 |
|---|---|---|
| 港区 | 661.2 | 533 |
| 中央区 | 528.9 | 517 |
| 品川区 | 450.8 | 674 |
| 江東区 | 380.2 | 910 |
取引サンプルは533〜910件と、TOWERSの成約データより一桁多い規模です。ただしこちらは低層・築古も含めた中古マンション全体の中央値であり、タワーマンションだけを取り出した数字ではありません。
4区とも、TOWERSの方が高い
同じ区の数字を並べると、4区すべてでTOWERSの成約坪単価が国交省の実取引データを上回りました。
- 港区:999.1万円 vs 661.2万円(+51.1%)
- 品川区:661.9万円 vs 450.8万円(+46.8%)
- 江東区:556.4万円 vs 380.2万円(+46.4%)
- 中央区:665.9万円 vs 528.9万円(+25.9%)
差が最も大きいのは港区の51.1%、最も小さいのは中央区の25.9%でした。
なぜ差が出るのか
主な理由は3つです。
- 対象の範囲が違う。TOWERSはタワーマンション限定、国交省データは低層・築古を含む中古マンション全体。一般に築浅・高層のタワーは坪単価が高くなりやすく、それを含まない国交省の区中央値は相対的に低く出ます。
- サンプルの厚みが違う。国交省データは1区あたり500〜900件超と厚く区全体の相場を安定的に示す一方、TOWERSの成約データは9〜40件とタワー限定ゆえにまだ薄い区もあります。
- 匿名化の粒度が違う。国交省データは区単位に匿名化されており、個別の建物には接合できません。TOWERSは棟単位で追えるため、港区の中でも高価格帯の棟が中央値を押し上げやすい構造です。
中央区の差が他区より小さいのは、晴海・勝どきなど大規模タワーが多く供給され、タワー自体の坪単価が周辺の中古マンション相場に比較的近いためと考えられます。
まとめ
- 港区・中央区・品川区・江東区の4区で、TOWERS成約データと国交省実取引データを比較
- 4区すべてでTOWERSの方が高く、差は25.9%〜51.1%
- 差の理由は「タワー限定 vs 全体」「サンプル数」「匿名化の粒度」の3点
- 2つのデータは対象範囲が違うため、同じ「坪単価」でも単純比較はできない
TOWERSでは、タワーマンション限定の成約データと国土交通省の実取引データを、それぞれ出典を明記したうえで無料で公開しています。